Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふみほご

文放古

芥川 竜之介

Leggi 文放古 (ふみほご) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4105 caratteri · 9 schermate

Aozora Bunko

あたしはこれはありふれたようでも、ずいぶん大きい悲劇だと思うの。(実際またありふれているとすれば、それだけになおさら恐ろしいじゃないの?)名前は結婚って云うけれども、ほんとうは売笑婦に身を売るのと少しも変ってはいないと思うの。

「けれどもあなたはあたしと違って、立派に自活して行かれるんでしょう。そのくらい羨ましいことはありはしないわ。いいえ、実はあなたどころじゃないのよ。きのう母と買いものに行ったら、あたしよりも若い女が一人、邦文タイプライタアを叩いていたの。あの人さえあたしに比べれば、どのくらい仕合せだろうと思ったりしたわ。そうそう、あなたは何よりもセンティメンタリズムが嫌いだったわね。じゃもう詠歎はやめにして上げるわ。……

「それでも日本の小説家の無力さ加減だけは攻撃させて頂戴。あたしはこう云う結婚難を解決する道を求めながら、一度読んだ本を読み返して見たの。けれどもあたしたちの代弁者はのように一人もいないじゃないの? 倉田百三、菊池寛、久米正雄、武者小路実篤、里見、佐藤春夫、吉田絃二郎、野上弥生、――一人残らず盲目なのよ。そう云う人たちはまだ好いとしても、芥川龍之介と来た日には大莫迦だわ。