Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Leggi 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.070 caratteri · 143 schermate

Aozora Bunko

……」

と、言いかけると、清く頬のやせた客僧が、掌を上げて、またニコリとしながら、頭を一つ、つるりと撫でた。

「われは化けたと思えども、でござろうかな。……彼処を、礼さん。」――

急に親しく、画工を、幼名に呼びかけて、

「はて、彼処をさように魔所あつかい、おばけあつかいにされましてはじゃ、この似非坊主、白蔵主ではなけれども、尻尾が出そうで、擽っとうてならんですわ。……口上で申通じたばかり、世外のものゆえ、名刺の用意もしませず――住所もまだ申さなんだが、実は、あの稲荷の裏店にな、堂裏の崩塀の中に住居をします。」

という、顔の色が、思いなしでも何でもない、白樺の皮に似て、由緒深げに、うそ寂しい。

が、いよいよ柔和に、温容で、

「じゃが、ご心配ないようにな、暗い冷い処ではありません――ほんの掘立の草の屋根、秋の虫の庵ではありますが、日向に小菊も盛です。」

と云って、墨染の袖を、ゆったりと合わせた。――さて聞けば、堂裏のそのくずれ塀の穴から、前日、穂坂が、くらがり坂を抜けたのを見たのだという。時に、日あたりの障子の白さが、その客僧の頬に影を積んで、むくむくと白い髯さえ生えたように見える。