Classici giapponesi con furigana
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しゃこう
斜坑
夢野 久作
Leggi 斜坑 (しゃこう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.977 caratteri · 39 schermate
ところが、その黒い水の滴たりを見ると福太郎は又、別の事を思い出させられて、吾知らず身ぶるいをさせられたのであった。
その岩の間から洩れる水滴が、奇怪にも摂氏六十度ぐらいの温度を保っている事を、福太郎はズット前から聞いて知っていた。それはその岩の割目の、奥の奥の深い処に在る炭層の隙間に、この間の大爆発の名残りの火が燃えていて、その水の通過する地盤をあたためているせいである……而も炭坑側ではそれを手の附けようがないままに放ったらかして、構わずに坑夫を入れているのであるが、そのうちにだんだんとその火熱が高くなって来る一方に坑内の瓦斯が充満して来たら、又も必然的に爆発するであろう事が今からチャンと解り切っていた。だからこの炭坑に這入るのは、それこそホントウの生命がけでなければならなかったのであるが、併しそうした事実を知っているのは極く少数の幹部以外には、その相談を偸み聞いた仕繰夫の源次だけであった。ところがそうした秘密がいつの間にか源次の口からコッソリとお作の耳に洩れ込んでいたのを、福太郎が又コッソリとお作から寝物語に聞かされていたので、
「インマの中に他の炭坑へ住み換えようか。