Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.406 caratteri · 381 schermate
「何をうろうろしているのじゃ。酒ばかり来て、皆様に杯が来ておらぬではないか。どうせ馳走はなくも、生味噌、生ねぎ、生生姜、何なと、あるがままのもの持って来い。――やあれ嬉しや、犬千代どの、御一同、ようぞお越し召された。老人もうれしゅうおざる」
「やあ。又右衛門どのよな。お久しいのう。犬千代じゃ。一献、お祝いのおながれ戴こう」
「うむ。参らする」
又右衛門は、慥と、杯を持ち直して犬千代へ酌した。無量な感慨が犬千代のほうにもある。最初のうちは聟舅となる者は、こう二人のはずであった。縁がなかったのだ。ふしぎといえばふしぎ、飽くまで縁である。このうえはお互いに清々ときれいに、ただ侍同志のつきあいでありたい。犬千代も祈った。又右衛門もそう謝しながら杯を酌した。万感という程なものが胸にあっても、心のうちに止めて、仄かにしか色にも言葉にも出さないのが、おたがい侍同志であった。
「いや又右衛門どの、犬千代もうれしゅう存ずる。よい聟とり召された。心からお祝い申す」
と、杯を向けて、
「寧子どのも倖せ、木下も倖せ者よ。大いに飲まずばなるまいと、ここにおる大勢どもを語ろうて押しかけて来た。