Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate

Aozora Bunko

「佐々六将のひとり、桜甚助の一の家来、小川鯰之助とは、かくいうそれがしだ」

「わしは、前田利家の甥、前田慶次郎だよ」

「なに、前田どのの甥だと」

「おお。戦というものを見てやろうと、初陣に、ここへ来たのだ」

「と聞いては、見のがせん。相手には不足だが、利家一族の初陣首、鯰之助がもらうぞ」

「ゆるせ」

と、慶次郎は、首をふった。

「首を捨てに来たんじゃない。戦を見に来たのだ。首をとるのは、かんにんせい」

その様子の他愛なさ――無邪気というよりは、常識を欠いている阿呆顔に、鯰之助は、

(ははあ、わかった。……さてはこいつ、白痴だわい)

と、うなずいた。

しかし、軍功帳の書き上げには、白痴の首も、利巧者の首も、首に区別はない。あるのは、身分の上下だけである。

「いや、首はもらった」

鯰之助は、飛びかかった。そして、いと無造作に、組み伏せようとしたのが、かれ終生の過りだった。

ぐわんと、いきなり顔へ、鉄拳を食った。よろめく足もとを、慶次郎の短槍が、力まかせに脛をなぐった。三つ四つと、所きらわず、乱打した。完全に、地へ伸びたところを、また叩いた。

「どうだ、鯰……」

慶次郎は、念のため、なおその顔や胸を幾たびも、踏んづけた。