Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate

Aozora Bunko

また、その領民やら負傷兵のあいだに、立ち働いていた一女性と、幾名かの、女の姿が見えたことである。

「あの女は、たれか」

助右衛門が、はっと、答えかねている容子を見、利家の方からこういった。

「そちの、内儀か」

「左様にござります」

「これへ、呼んでくれい」

「はい。……が、いずれ後刻、髪などなでさせて、お目通りに伺わせまする」

「そうか」

助右衛門の心を読んで、利家は、その場はよそに見て通った。

ひとまず、城下の敵も退いたので、利家は、全城の将士をあつめ、まず将士をねぎらい、恩賞の約を与え、そして、奥村助右衛門夫婦にも、あらためて、

「おそらく、利家の生涯にも、そちたち夫婦の功は、永く忘れ得ぬことであろう」

と、までいった。

その日、用いて来た鍾馗の馬じるし、金の采配、刀などに、感状をそえて、助右衛門に与えた。

かくて、利家自身のたのしみは、大いに眠ることだった。敵ともよく闘ったが、利家は、肉体の意慾にも、よく剋って来たと、われながら思うのだった。

一方。

坪井山本陣の佐々成政は、一夜に、戦況は逆転し、自身の周囲すら浮き足たって来たのを見て、

「ふがいなき奴どもよ」