Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 186.659 caratteri · 372 schermate
弁次郎幸村は、その年、十七歳であったという。
「於弁」
かれは、父からそう呼び慣わされていた。
「そちも、何か一言、意見はないか。一族浮沈のさかいだ。常とちがって、慎みは無用。吐きたい意見は、遠慮なく吐け」
「はい……では」
と、於弁はすこし膝をすすめて、
「愚見を申しあげてみます」
「うム」
と、父は、十七歳のわが子が、こんな時何をいうかと、十七年の育成の結実をいま見るように、じっと見まもった。
「最前――当家の客将板垣修理之助さまが仰っしゃった意見に私は賛成です。いくら強がっても、微弱な小国が、大国に勝てないのは、明白です。……故に、越後の上杉景勝どのに援軍を頼むというお考えは、無上の策です、ほかに策はありません」
「だが、於弁。――それについては、とても上杉家で聞き容れ申すまいし、また、この昌幸からも、今さら申し出で難い事情を、そちも今、聞いていたろうが」
「はい。その理由は、さきにわが真田家は、上杉家に隷属し、その誼みを破って、北条家に奔り、また徳川家の与党に変ったということでございましょう。つまり、一度、裏切った上杉どのには、われらに対して、全く信用があるまいという危惧でしょう」