Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.320 caratteri · 398 schermate
その辺りは、羅馬、西班牙、また、埃及などという国々の抱いておる内海――」
その屏風の左半双の端から、右の半双面の方へと、信長は秀吉をさしまねいた。
そして、秀吉と並んで、屏風絵の世界地図の前に坐った。
葡萄牙の、一宣教師が献上したものを原図として、狩野派のお抱え画工がそれを美術化して、六曲一双に濃彩をもって描いたものなので、もとより地図というほど精密でもないし、また、原図そのものからして、まだ地球の全貌図としては、はなはだ幼稚杜撰なものであったことはいうまでもない。
けれど、大体において、世界の広さは描かれている。地中海もあれば、印度洋もあり、大西洋もあった。太平洋も紺碧な厚い顔料に塗りつぶされてあった。
「筑前。見よ」
「はあ」
「日本はここだ。この細長い島国。われらはこの上に生れている」
「これが日本でございますか。……これが」
秀吉は、凝視した。
息もせずに見つめていた。
そして顔を離すと、あらためて、六曲一双の屏風の広さを――いや世界の広さを見直して――また眼のまえの細長い一島嶼の小ささを全図と比例しては見入っていた。
「支那、南蛮諸島、西欧の国々、どこと見くらべても、何と、日本は小さいのう。