Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
信長の発向としては余りに軽々しい。むしろ疑うべきだと、思い惑ったものか、光秀のひとみはそのせつなに、燭を横に見ながら、として妖しくかがやいた。
光春は一語も吐かずにひかえていたが、光秀がそれきり沈黙をつづけているので、進士作左衛門に向って――
「退がって、旅装を解き、夜食なとすましたがよかろう」
と、ねぎらった。
あとは光春と光秀のふたりとなった。自己の分身も同様なこの骨肉にたいして、光秀は何やら心を割って語りたいような素振でもあったが、とかく光春のことばは光秀にそれを吐かしめないのみか、切に、一刻もはやく中国へ出陣して、これ以上信長公の忌諱に触れることのないようにと、一にも信長、二にも信長と、ただ服従と奉公一念をすすめる以外にないのであった。
この正道一義な従兄弟の性格は光秀としても四十年来、たのみがいある男よと、力にもし、愛して来た性情である。いまとてもそうした光春なればこそ、
(わが一族中の随一の者)
と信頼しているのだった。
だから、彼のそうした態度に対しては、いかに内心自分のいまの気もちにそぐわぬものであっても、光秀はそれに怒ることも圧伏を加えることもできなかった。