Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
いつになく彼は日の三竿にいたるまで寝所から出て来なかった。亀山への出発はおそらく今日と察して、それも早朝に触れ出されるであろうと待機していた家臣たちには、主君のこの常ならぬ朝寝坊がひどく意外なようであった。
「きのうは終日、山をあるき、昨夜は近来になく熟睡した。そのせいか、きょうは寔に気分がよい。風邪も本格的に癒ったとみえる」
午ごろ、光秀のうるわしい声が広間に聞えていた。家臣たちの間にはそれを自分たちの健康のように歓びあう容子が漂っていた。そして間もなく側臣からこういう令が伝えられて来た。
――こよい酉の下刻、当所を御出立、白河越え、洛北を経、亀山へ御帰国被遊。御用意とどこおりなきように。
亀山へ供して行く将士の同勢は三千に余った。夕べ迫ると、光秀も旅装をととのえて、本丸の広間に臨み、この日にかぎって、光春の家族たちと一緒に晩の食事をした。
「お門立ちの祝ぎにと、奥方や老人どもが、いささか、丹精こらした膳部です。何もございませぬが、彼らの心根を召し上がっていただければ、どんなに歓ぶかわかりませぬ」
と、左馬介光春からいわれたので、光秀も、その心を酌んで、