Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate

Aozora Bunko

広大な、本能寺の地域を平均何尺か地盛りしたほどの土を浚った溝渠である。また万一の備えにも、この濠は、重要な意味をもつので、深ければ深いほどよいわけでもある。水の漲っている雨の夜など、よく凡下の酔っぱらいなどが落ちこんで、中には溺死した暢気者すらある濠であった。

「たいへんだよ」

「おうちの腕白が本能寺の濠へ落ちたとさ」

逸はやく、誰か知らせたとみえる。尿小路の近所合壁は、鼎のわくような騒ぎで、親たちは跣足で飛び出す。隣の夫婦や裏の老人も出て来る、娘も走る、犬も尾いてゆく。文字どおりたいへんなことだった。

だが、その人達が、濠ばたまで来て見たときは、すでにその子は救われていた。掘りたての蓮根みたいに上げられて、わんわん泣きぬいていた。

それと二人のばてれんも、手や衣服を泥だらけにしていた。もう一名のばてれんは、咄嗟に濠の中へ飛びこんだとみえて、これは後からようやく這い上がって来たが、ほとんど手も顔も分らない姿になっていた。

「わアい。ばてれんさんが鯰になったい。赤いお髯も泥ンこだい」

子供たちはそれを見て、囃したり手を叩いたり、よろこび廻ったが、救われた子の親たちは、決して信徒でもないだろうに、