Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.903 caratteri · 400 schermate
「いったい、どこへ行くのでござる。どこの道で」
「知れたこと。石井山の御本陣へまいるのであろうが」
「では、あなた方は、まちがいなく、羽柴殿の麾下ですか。毛利方の者ではありませんな」
「先にこっちで訊いたことを、今度は自分から訊いていやがる。はははは。この飛脚、よほどどうかしておるぞ。逆上ッておる」
送りの武者たちが、顧み合うと、飛脚の男は、ぐたと、坐りかけてしまった。
「おいッ。どうした」
ひとりが松明を近づけて、彼の顔の前でいぶした。
「あッ。いけない。――気を失っている」
武者たちはあわてて、附近の小川から泥水を掬って来てその唇へ飲ませたり、飛脚の背を打ったりした。
「おいッ。しっかりしろ。――いま気を失っちゃいかんぞ。本陣はまだだぞ」
飛脚の顔はまッ青である。うなずきうなずき歩き出した。
飲まず食わず、きのうから早馬に鞭打って来たものらしい。そう思うと、初めはよい程に、おもちゃに扱っていた武者たちにも、
(――ただ事ではない)
と、思われ出した。
すぐこのことは、山麓にある山内猪右衛門の隊から浅野弥兵衛に伝達され、中途から弥兵衛の部下が、半病人の飛脚を受け取って、やがて本堂の下まで伴った。