Classici giapponesi con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate
だのという名がときおり聞えるところをみると、此の頃やかましい北地経営か海防策か、いずれそういう類の議論が交わされているに違いない。図をひろげたり書籍をつき合せたりする物音も聞えた。
「……粗茶ですが」若い家士が茶を持って来た、「たいへんお待たせします、酒も終りましたし、もう門限ですから客も帰る時分でございましょう」
秀之進はやはり黙って会釈を返すだけだった。家士はまだ若く眼のくりくりとした、頬の赤い、まるで少年のような顔だちをしている、かれは秀之進に話しかけたいようすだったが、相手がまるで口をきかず、無興味な、とっつきばのない態度を少しも変えないので話しかける糸口がみつからないとみえ、具合の悪そうな眼つきで茶を置くとすぐに去った。
やがて門が閉ったらしい。十時を過ぎて暫くすると、隣りの部屋に寝具の支度をする物音が聞え、すぐにまた家士がやって来た。
「まことにお気の毒ですが、来客が泊ってゆくことになりました、それで御面会は明朝に延ばして頂き、今宵はおやすみ願うようにと申しつかりました、次へ支度を致しましたからどうぞお寛ぎ下さい」
秀之進はべつに厭な顔もしなかった。