Classici giapponesi con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate
と云われたが、なにかをせずにいられなくなって来たんだ」
「なにをしようと云うんだ?」
「校川さんの案では彦根城を乗っ取ることだった、わたしも狙うなら彦根だと思う、それには木曽の駒場にもう手金がうってあるし、銃砲の鋳工所も校川さんの手で尾州領にみつけてあるという、例の大和の伴林どのとの連絡にも都合がよい、すべてが彦根ならではといいたいくらいだ」
「伴林どのも動くというのかね」
「吉野の千本槍をいつでも提げて出るという」
伴林高斎(光平)はのちに十津川の挙兵に参画し、敗戦して刑殺された。摂津に生れ僧籍にあったが、還俗して大和斑鳩に住み、国学を論じ勤王論を唱えて、気をはいていた。
「それでわたしは木曽へゆくんだが、木曽から大阪の店へまわって尾州領の鋳工所というのを見て、大和のようすをもういちどたしかめて来るつもりだ」
「誰が采配をとるんだ」
大助はびっくりしたように眼をあげた。
「誰って……ほかにありますか」
秀之進はふと眼をつむった。そしてしばらくなにか思いめぐらしているようすだったが、やがて眼をつむったまま云った。
「それはだめだろうな」
「どうして……」
「いま大さんは、松崎の話に高松のようすも僅かなあいだに変ったと云ったろう、その意味は単純じゃないぞ」