Classici giapponesi con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate
討手の人々の姿はまだ見えない。そのままにして置けば二人はどこへ隠匿されるかわからなくなる。かれは咄嗟に心をきめて道へ出ると、急ぎ足に七人のあとを追った。
かれらは栗林荘の築地塀に沿って、南のはずれまでゆき、そこから道を左へ折れた。それからさきは畑地と雑木林になる。曲り角まで、いっきに走った秀之進は、「おーい、来たぞ、そっちを塞げ」といきなり絶叫した。かれらの行手に待伏せがあるとみせるためだった。不意ではあるし、待伏せを恐れていた七人の者はこの叫びにまんまとひっかかった。
「ゆだんするな、散るな」
一人が叫びながら振返った。そしてそこに秀之進が一人しかいないのを見ると、「ひき返せ」と喚き、刀を抜きながら戻って来た。秀之進も刀を抜いた。抜いて身構えながら、ぱっとうしろへとびしさった。誘い戻しである。とびしさりながら、「此方へ戻るぞ、うしろを詰めろ」と叫びたてた。七人はまったく背後に敵があるものと誤認したらしく、一斉に抜きつれて元の道へと戻って来た。
――しめた。秀之進はかれらが広い道へ出てしまうと、こんどは逆にその前へ立ち塞がった。
「大峰、矢田部の二人を受け取る、ほかの者は手をだすな」