Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

Leggi 新潮記 (しんちょうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 155.541 caratteri · 305 schermate

Aozora Bunko

ところから、な、まあ見ておいやれじゃ、はっははは」

寅寿の乗物を、小石川御門の外まで送っていった家士が戻るまで、さすがに内膳は局口から動くことができなかった。万一にも水戸藩士に発見されれば、寅寿の身の危険は直ちにその累を主家にまで及ぼすことになる。

――どうか無事で行きつけるように、局口の暗い片隅で、かれはひたすらそう念じていた。

送っていった家士の八巻三五郎は、しかしほどなく帰って来た。

「どうだった、無事にお越しか」

「はい御無事でございました」

「水戸家の者に気づかれたようすはないか」

「大丈夫でございます、唯今この表で見うけましたが、かれらはつい今、御門から出てゆくところでございました」

「そうか」それなら間違いはない、内膳はほっと息をついて接待所へもどった。

大峰と矢田部は秋山平蔵の家に匿まうことにきめ、両名をつれて御殿をさがるとすぐに使いをやった。平蔵は寅寿の来訪を知っていたとみえ、来るとすぐにそのことを問い質した。

「なにか大事でも起こってのことですか」

「大事と申す程ではないが、校川が先日どなりこんでまいったな」

「水戸家の咎人を両名匿まったと申す、あの件ですか」