Classici giapponesi con furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate
「まア、それぞれ、お好きなものからめし上ってもらいましょうか。」
「こんなに沢山いただくんですの。珍らしいものばかりね。」
千鶴子は鉢から各自の皿へ料理の品を取り別けたり、御飯をみなの茶碗に盛ったりした。
「このあたりで、僕の方がお客にさせて貰いますかな。」
と矢代は云って笑った。
「どうぞ、これだけいただけば、後はたくさんですわ。」
食事中に吸物の出来るようストーブにかけて三人は御飯を初めにかかった。こんにゃくの白和はとくに良い出来だった。千鶴子は自然薯のとろろの味を褒めたが、これは少し味が濃すぎたようだし、生椎茸の揚物は油が悪く期待を裏切った。その代りに御飯がいつもより上手に炊けているので、塩気の利いた物が美味に感じられる食事となった。食い物の味など槙三には分らないらしく、出るものをみな黙って食べていたが、鶏だけは特別気に入ったと見えて、爪附きの片足をひっ掴んだまま、口もとをバタの油で濡らしては必死に筋を食い破っていた。
「あなたのプウレオウリ、思い出すわ。この方ね、パリで若鶏ばかし上ってらしたの。一度鶏供養なさらなきゃ、罰があたりましてよ。」
千鶴子のそう云うのに矢代は、たしかにそれもそうだと思うのだった。