Classici giapponesi con furigana
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かにのかい
日本の怪談(二)
田中 貢太郎
Leggi 日本の怪談(二) (かにのかい) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 80.664 caratteri · 171 schermate
山伏の獣の吠えるような怒声は一層私たちをはらはらさした。その私達のはらはらしている前を巡査は両手を後手に縛った山伏を引きたてて往ったが、その山伏の蒼白い口髯の濃い口元に血がにじんでいたので、鬼魅が悪くなって顔をそむけている間に、もう巡査は山伏を引きたてて入口の掘立門を出て往った。
「山伏が堀内さんに縛られた」
「山伏は何をしたろう」
私も小供心に山伏の縛られて往った原因を知りたかったが判らなかった。私は清導寺の嬰児の死といっしょに奇怪な事件として、時どきそれを思いだして考えてみたこともあったが依然として判らなかった。ところで、二十年も過ぎてから村の古老と話しているうちに、そのことを思いだしたので聞いてみると、
「あれは、山伏が寺を乗取るつもりで、小供を殺したものだよ」
と、云ったのではじめてその疑問が解けるとともに、これは怪談になる話だと思ったのであった。