Classici giapponesi con furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Leggi 日本の諸国物語 (せっしょうせき) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.040 caratteri · 158 schermate
夢占
一
むかし、摂津国の刀我野という所に、一匹の牡鹿が住んでいました。この牡鹿には二匹仲のいい牝鹿があって、一匹の牝鹿は摂津国の夢野に住んでいました。もう一匹の牝鹿は、海を一つへだてた淡路国の野島に住んでいました。牡鹿はこの二匹の牝鹿の間を始終行ったり来たりしていました。
けれども牡鹿は摂津の牝鹿よりも、淡路の牝鹿の方を、よけい好いていました。そしていつも淡路の方へ行って遊んでいることが多いので、夢野の牝鹿はさびしがって、淡路の牝鹿をうらんでいました。
二
ある日めずらしく牡鹿は夢野の牝鹿の所へ来て、一日遊び暮らしていました。そしてそのあくる朝帰ろうとする時、ふと悲しそうな、心配そうな目をして、ため息を一つつきました。牝鹿はふしぎに思って、
「あなた、どうかなさいましたか。大そう顔色が悪いようですね。」
とたずねました。
牡鹿は、
「なあに何でもないよ。」
といって、強く首を振りました。
「いいえ、ため息をおつきになったりなんかして、きっと何か御心配なことがあるのでしょう。わけを話して下さいまし。」
と牝鹿がしつっこくせめました。そこで牡鹿もしかたなしに、