Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いも

日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)

佐左木 俊郎

Leggi 日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二) (いも) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.241 caratteri · 54 schermate

Aozora Bunko

なあ。森山の且那が悪いのでも、俺等が悪いのでもねえ、煉瓦場が悪いのだから。」

「俺は、誰のどこも恨まねえもの。」

お房は膳の前に坐りながら言った。

「煉瓦場は、冬休みがとっても長くて、いいもんだな。」

「この野郎は、そんなごとばかり。」

鶴治は小学校の尋常一年生で、二週間の冬休みがあった。それに較べると煉瓦場の仕事の出来ない期間は全く長かった。

「冬休みなんか、なんぼ長くたって、糞の役にもなんねえ。夏休みが長げえのならだげっとも……」

捨吉爺は、笑いながら、併し怒ったようにして言った。

「森山の且那等、何もかも判っているようだげっとも、物事を考えるのに、深く突詰めるってごとねえんだもの。ほだからのことさ。」

「お房や。小豆餅ばかりでなんなら、納豆餅でなりなんなり、どっさり食って行くんだ。東京さなど行ったら、餅などはあ、たんと銭でも出さねえと、喰れめえから……」

「俺は、何んにも食いたくねえも。」

「何も、先が暗いからって、おっかねえごとなんかねえだ。渡る世間に鬼は居ねってがら。」

「併し考えで見ると、森山の旦那が、あそこの土地を売らながったのだって、ああして困ってのだって、俺等を乾干にしめえど思ってのごとなんだがらな。