Classici giapponesi con furigana
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いも
日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)
佐左木 俊郎
Leggi 日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二) (いも) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.241 caratteri · 54 schermate
それを考えると、此方でだって、ああして困ってんのを見れば、全然小作米をやらねえじゃ置げねえがらな。お房には気の毒だげっども。」
「斯んなごとになんのなら、あそこを売ればよがったんだね。自分だけでも助かったのにさ。」
「売って、その金を此方さ廻してくれれば、問題は無かったのさ。それを森山の旦那は、他の地主等、土地を売払って小作人を困らせでるがら、自分だけは、意地でも売らねえって気になったのさ。ふんでも、皆んながああして売った処さ、自分だけ頑張って、島のように残して置いたって、何になんべさ。頑張るのなら、皆んなで頑張らなくちゃ。」
「ほだからって、恨みってえことは言われしめえ。殺すようなごとしてまで取立てる世の中なんだもの。」
「誰も、恨みごとなんか言わねえ。ふむ。旦那が気の毒だと思ってのごった。」
鬱屈した気持の向け場に困っていた捨吉爺は、唇を尖らして、錆のある太い声で不機嫌に言った。
*
朝の一番の汽車に間に合うのには急がねばならなかった。併しお房は、何事も手に着かないらしかった。微かに身体を顫わしてばかりいた。荷物のことは、父親の捨吉と母親とで皆んな支度をしてやらねばならなかった。