Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.187 caratteri · 24 schermate
このように立身して一家が幸福になると、親の情としてよそへ遣った者がふびんになるのは当然のことである、それもその子が仕合せであればべつだが、人をやって尋ねさせてみると依田啓七郎は妻にさきだたれ、お高を貰ったあとで生れた幼弱な子をかかえて、かなり貧しい暮しをしているとのことだった。夫妻は幾たびも相談をしたうえ、それまでの養育料を払ってひきとることにきめ、しかるべき人を間に立てて依田と交渉した。……そのとき初めてお高は自分の身の上を知ったのである、啓七郎はありのままになにもかも語った、そして「松本の家へ戻るほうがおまえのゆくすえのためだから」そう云って帰ることをすすめた。お高は考えてみようともせずに厭だと云いとおした、ついには部屋の隅に隠れて泣きだしたまま、なにを云っても返辞をしなかった。肝心のお高がそんなありさまだったので、間に立った人もどうしようもなく、そのときのはなしは結局まとまらずじまいだったのである。
「お梶どののご病気は、かなり重いようすなのだ」
と、父は暫くして言葉を継いだ、
「ひとめ会いたいという気持もおいたわしいし、おまえも実の子としていちどぐらいはご看病がしたいだろうと思う、意地を張らずにいって来るがよい、ほんの僅かな日数のことだから」