Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.187 caratteri · 24 schermate
五
まいと考え、むじひなようだがいつわりを云って立たせた、どうかこんどはわがままを云わずに承知してもらいたい、西村へいったら両親に孝行をつくすよう、兄弟と仲よう仕合せなゆくすえを祈っている。そういう意味のことが、依田の父らしく篤実な筆つきで書いてあった。
「よくわかったでしょう」
梶女はお高の読み終るのを待ってしみじみとこう云った。
「いまになっておまえをとり戻そうというのは勝手かもしれない、けれど父上やこの母の気持も察してお呉れ、おまえの生れたじぶんは父上のご身分も軽く、子供を多くかかえて、恥ずかしいはなしだけれどその日のものにもさしつかえるようなことさえある、貧しく苦しい暮しでした。人の親として、乳ばなれしたばかりの子をよそへ遣らなければならない、それがどんなに辛い悲しいことか、やがておまえが子をもったらわかって呉れることでしょう、身を切られるようなと云う、そんな言葉では云いあらわせない、辛い悲しいおもいでした」
五
「それほどのおもいをしても、おまえを遣らなければならなかった、もう耐えきれない、一家が飢え死をしてもいいからとり戻しにゆこう、なんどそう思ったかしれません、暑さ寒さ、朝に晩に、泣いていはしないか病気ではないかと、心にかからぬときはありませんでしたよ」