Classici giapponesi con furigana
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Leggi 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) di 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.254 caratteri · 151 schermate
そしてすぐドイツ行きの仕度にかかった。
それにはまず、ドイツ領事のヴィザをもらう前に、警察本部の出国許可証をもらわなければならない。それが、警察へ行くたびに、あしたやる、あさってやる、という調子でごく小きざみに延び延びになって、一カ月あまり過ぎた。むしゃくしゃもする。もうメーデーも近づく。パリもなつかしい。ちょっと行って見ようとなってまた出かけた。
そしてその翌晩、夕飯を食いがてらオペラの近所へ行って、そこからさらに時間を計ってドリイに会いに行こうと思った。が、そのオペラの近くのグラン・キャフェで、前に一度あそんだことのある、そして二度目の約束の時に何かの都合で会えなかって、それきりになっているある女につかまってしまった。
その翌日はメーデーだ。今晩こそはドリイと思っていると、その日の午後、こんどはとんでもない警察につかまってしまった。
秩序紊乱、官吏抗拒、旅券規則違反というような名をつけられて、警察に一晩、警視庁に一晩とめられて、三日目に未決監のプリゾン・ド・ラ・サンテに送られた。
のん気な牢屋だ。一日ベッドの上に横になって、煙草の輪を吹いていてもいい。