Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
街へ通う飛脚の荷車の上には破れた雨合羽がかかっていた。河には山から筏が流れて来た。何処かの酒庫からは酒桶の輪を叩く音が聞えていた。その日婦人はまた旅へ出ていった。
「いろいろどうもありがとうこざいまして。」
彼女は女の子の手を持って灸の母に礼をいった。
「では御気嫌よろしく。」
赤い着物の女の子は俥の幌の中へ消えてしまった。山は雲の中に煙っていた。雨垂れはいつまでも落ちていた。郵便脚夫は灸の姉の所へ重い良人の手紙を投げ込んだ。
夕暮れになると、またいつものように点燈夫が灸の家の門へ来た。献燈には新らしい油が注ぎ込まれた。梨の花は濡れ光った葉の中で白々と咲いていた。そして、点燈夫は黙って次の家の方へ去っていった。