Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
久吉とおりかは別に掛り医の所でさそうといっていたが、彼はそれさえも出来ることならさせたくなかった。何となく姪が汚なくなるような気がしたからだ。
二週間ほどして、姉から末雄の所へ来た手紙の中に、幸子は種痘してから五日にもなるがまだ熱がひかないので弱っているということが書いてあった。子供に種痘をすれば暫く熱が出ること位彼も知っていたが、それは五日も続くものだろうか、何か他の病気になったのではなかろうかとそんな掛念(けねん)が起って来た。姉の手紙の書き方が彼の想像を限定させないので彼は困った。そして、直ぐ容子(ようす)を訊き返した手紙の中に是非返事を直ぐ呉(く)れるようにと書いて出した。が、返事は四日たっても来なかった。彼は外から帰って来る度(たび)に手紙が来ていないかと女中に訊いた。外へ出ている時にも、返事がもう来ているだろうと思うと急に下宿へ引き返した。が、返事は一週間たっても来なかった。彼は腹を立てて、
「どうにでもなれ。」という気を出そうと強(し)いてつとめてみた。が、絶えず何かに脅(おびや)かされているような気持ちでまた一週間待った。その夜姉から手紙が来た。