Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
咒禁師はその立ち籠めた煙の中で、片手に玉串を上げ、片手に抜き放った剣を持って舞を舞った。そうして、彼は薫炉の上で波紋を描く煙の文を見詰めながら、今や巫祝の言葉を伝えようとした時、突然、長羅は彼の傍へ飛鳥のように馳けて来た。彼は咒禁師の剣を奪いとると、再び萩の咲き乱れた庭園の中へ馳け降りた。そうして、彼は蟇に戯れかかっている一疋の牝鹿を見とめると、一撃のもとにその首を斬り落して咒禁師の方を振り向いた。
「来れ。」
呆然としていた咒禁師は、慄えながら長羅の傍へ近寄って来た。
「我の望は西にある。いかが。」
「ああ、王子よ。」と、咒禁師はいうと、彼の慄える唇は紫の色に変って来た。
長羅は血の滴る剣を彼の胸さきへ差し向けた。
「いえ、我の望は西にある。良きか。」
「良し。」
「良きか。」
「良し。」というと、咒禁師は仰向きに嫁菜の上へ覆った。
長羅は剣をひっ下げたまま、蒸被を押し開けて、八尋殿の君長の前へ馳けていった。そこでは、君長は、二人の童男に鹿の毛皮を着せて、交尾の真似をさせていた。
「父よ、我に兵を与えよ。」
「長羅、爾の顔は瓜のように青ざめている。爾は猪と鶴とを食え。