Classici giapponesi con furigana
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
Leggi 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.787 caratteri · 177 schermate
そうして、次第に酒宴の騒ぎが宮殿の内外から鎮って来ると、やがて、卑弥呼の膝を枕に転々としていた反絵も眠りに落ちた。卑弥呼は部屋の中を見廻した。しかし、一人として彼女のますます冴え渡ったその朗な眼を見詰めている者は誰もなかった。ただ酒気と鼾声とが乱れた食器の方々から流れていた。彼女は鹿の肉塊を冠って眠っている反絵の顔を見詰めていた。今や彼女には、訶和郎のために復讐する時が来た。剣は反絵の腰に敷かれてあった。そうして彼女の第二の夫を殺害した者は彼女の膝の上に眠っていた。しかし、反絵のその逞しい両肩の肉塊と、その狂暴な力の溢れた顎とに代って、奴国に攻め入る者は、彼の他の何者が何処の国にあるであろう。やがて、彼のために長羅の首は落ちるであろう。やがて、彼女は不弥と奴国と耶馬台の国の三国に君臨するであろう。そうして、もしその時が来たならば、彼女は更に三つの力を以て、久しく攻伐し合った暴虐な諸国の王をその足下に蹂躙するときが来るであろう。彼女の澄み渡った瞳の底から再び浮び始めた残虐な微笑は、静まった夜の中をひとり毒汁のように流れていた。
「ああ、地上の王よ、我を見よ。