Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.172 caratteri · 36 schermate
どうも、このことは、何か家庭に関係することがあって、あたしに芸を一ツ覚えさせなかったことになったようだ。
堅田という囃子方の師匠の妹が父の世話になっていて、あたしを可愛がるのが、母におもしろくないのが原因だったようだが、それよりも、あたしにとって、大変な不運だったのは、母方の祖母が何かの便次があって、あたしを下田歌子女史の関係する塾とかに――それが、何処であったのか知らないが、入れたらと言って来たときには、こんどはどういう意味で祖母が反対したのか、小軋轢があったふうで、沙汰止みになってしまった。「小学生徒心得」という読本が、楷書入りの本を読み習った最初なので、下田歌子の名は幼少な耳にも止めていた名だった。そんなことで、あたしに対する家庭教育は、世の中や、家の業とは大層異った、後びっしゃりなものであった。
ともかく泣いて願って、英語は習うことになったが、あいにく、ぶるさげていった赤インクの大きな壜を、白地のゆかたの出来たての膝へ、前の席のものが立ったはずみにひっくりかえされて、血をあびたようにこぼしてしまってから、それが長唄杵屋のお揃いで、学校の帰途に行く月浚いに、間にあうように新しく縫われた浴衣であるにしろ、それだけの過失で、英語は下げられてしまった。