Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.645 caratteri · 47 schermate
新十郎はうなずいて、
「なるほど、たぶん、そんなことだろうと思ってはいました。そして中園は夕月へ現れましたか?」
「いいえ、今もって現れておりません」
「そうでしょうなア。そして、たぶんいつまでたっても現れはしますまい。それから?」
「夕月のぶんはそれだけですが、アツ子の素行につきましては、まことに難題で、田所のほかには、なかなか正体がつかめません。しかし、だいたい素行については悪評がありまして、フランケンとは近ごろ特にネンゴロだということを噂している者はございます。散々歩いて、つきとめたのは、ようやく、それだけで……」
新十郎はニッコリ笑って、
「いつもながら、あなたには感謝しますよ。正確無類に私の足の代りをつとめて下さるからです。おかげで私は西洋将棋をたのしむことができますよ。私が自分で歩いたって、あなた以上にききだすことはできますまい。では、そろそろ出発いたしましょうか」
虎之介は有項天によろこんで、口もとから自然にほころびる笑みを抑えるから、
「オヤ。どちらへ?」
「加納家へ参りますよ」
とうとう我慢ができなくて、虎之介はゲタゲタ笑いたてて、
「オヤ、あんなところへ、何御用で?」