Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.354 caratteri · 49 schermate

Aozora Bunko

そこが心眼の使いどころだよ」

虎之介は花廼屋を睨みつけた。至って遠見のきかない心眼のくせに、口だけは利いた風なことを云う。それが一々、虎之介のカンにさわって仕様がないのである。

新十郎は家族によって押し倒された板戸を立てかけて入念に調べていた。押し倒されたハズミにカケガネは外れている。カケガネの鐶は板戸にチャンとついている。

新十郎は二三尺離れたところから、五寸釘を探しだした。それは明かに、鐶をかけて差しこむための五寸釘である。別に曲ったり、傷がついたところはない。

新十郎は板戸の鐶とその附け根をしらべていたが、そこにも傷んだ跡はなかった。

「板戸を押し倒した時に、カケガネは簡単に外れたんですね。五寸釘も傷んでいないし、カケガネも傷んでいませんよ」

「するてえと、カケガネはかかっていなかったんじゃないかなア。何かの都合で戸の開きグアイが悪いのを、早合点して、カケガネがかかっているものと思いこんだんじゃないかねえ」

これをきいて喜んだのは虎之介。プッとふきだして、

「何かの都合ッて、なんの都合で戸が開かなかったんだい。その都合をピタリと当ててもらいたいね」