Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.354 caratteri · 49 schermate
「なにかの都合がよくあるものさ」
「ハッハッハ」
虎之介はバカ声をたてて笑っている。
新十郎は、まず、最初に疑問をいだいたという女中のおしのをよんだ。二十一二の近在の娘で、ここへきて五年になる。お江戸日本橋の五年の生活で、すっかり都会になれている。
「お前はヒキ戸をひいてみて、カケガネがかかっていると分ったのだネ」
「ハイ。そうです」
「どうしてカケガネがかかっていると分ったのだネ」
「戸のアチラ側ですから別にカケガネがかかっているのを見たわけじゃアありませんが、この戸はカケガネをかけると開きません。ほかに開かない仕掛けはありませんからネ」
「カケガネのことだから、かかっていても、細目にあくだろう。そこからのぞいたら、カケガネは見えそうなものだ」
「そんなことをしなくッとも、戸があかなければカケガネがかかっているにきまっています」
「お前が主人を最後に見たのはいつごろのことだね」
「ゆうべは旦那から指図がありまして、今夜加助がくるだろうから、来たら土蔵へ案内しろと云いつけられていましたから、加助さんの顔が見えると案内しました」
「加助とは、どんな人だ」
「今年の春まで、ここの番頭をつとめた人でございます。