Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しゅんもう
春盲
豊島 与志雄
Leggi 春盲 (しゅんもう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8296 caratteri · 17 schermate
誰の顔を見るのも嫌だ、口を利くのも嫌だ、ただ、消え入りたい気持ちで、じっとしていたいのだ。枕に顔を押し当てて寝ていたいのだ。このまま死んでしまったって構わない。昏迷銷沈の中にもぐっていたいのである。
それは一種の発作に似ていて、而もその発作に甘えきることだった。失意の極、絶望の極、落胆の極、そんなものではなく唯あらゆる意慾の停止、あらゆる思考の停止だった。深淵の上に浮ぶ一枚の木の葉に身を託してそしてそこに安らうようなものである。日の光りもなく、風もなく、漣もなく、ただ一面に茫乎としているのだ。
そのような時、彼はただ機械的に起き上っていた。寝ていたいとの気持ちさえないのだった。家人の誰とも口を利かなかった。母のない二人の子供にさえ口を利かなかった。そしてぼんやり時を過した。殆んど完全に何もせず何も考えない時間だった。
夜になって、ちょっと来いの結び文が届けられても、彼は何の表情も浮べなかった。然し、やがて出かけて行った。美津子のところへ行くのも行かないのも、彼にとっては結局同じことだったのだ。
炬燵に火が入ってるので山田はそこにもぐり込んで寝そべった。