Classici giapponesi con furigana
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しゅんもう
春盲
豊島 与志雄
Leggi 春盲 (しゅんもう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8296 caratteri · 17 schermate
突然、感じが変った。もう今迄の美津子ではなかった。ちょっと来いの彼女ではなかった。なんだか他人のようでもあり、ひどく親身なひとのようでもあった。酔っ払らって、駄々をこねる者ではなく、心から寄りかかって来てるひとのようだった。人間としての愛情が、情慾の滓を洗い去ったかのようだった。
「大丈夫ですか。」
返事はなく、彼女はかすかに頷いた。
「どこか痛めましたか。」
それにも返事はなく、彼女はかすかに頭を振った。
「安心していらっしゃい。僕がついててあげます。いつまでもついててあげます。」
肩の上に、彼女は頭までもたせかけてきた。毛先だけを軽く縮らせてる髪から、香油の香りがした。山田は彼女を支えてる手先に、親愛の力をこめた。月の光りはなく、朧ろな街路だった。