Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
それではなんにもならないと思ったので、半七はひとまずお杉の詮議を切り上げることにした。
「いや、そう判ったらもうそれでいい。お父っさんや阿母さんにはこんなことは黙っているがいいぜ」
お杉は網を逃がれた小鳥のように、早々に会釈して立ち去った。暖簾をはいる彼女のうしろ姿を見届けて、半七は二、三軒先の荒物屋へ寄ると、まだ若い女房が火鉢のまえで継ぎ物をしていた。
「麻裏はありませんかえ」
「いらっしゃい」と、女房は針をやすめて起って出た。「どうも宜しいのが切れて居りまして……」
「なんでもいい。俄か雨でこの通り泥だらけにしてしまったのだから、何か丈夫そうなのを下さいな」
どうで気に入ったのは無いと承知の上で、半七はありあわせた麻裏草履を一足買った。かれは店口に腰をかけて、その草履を穿きかえながら訊いた。
「おかみさん。そこの蕎麦屋の娘は雑司ヶ谷に奉公していたんだね」
「よく御存じで……。そうでございますよ」
「わたしもあの辺の者だから知っているんだが、あの娘は御鷹匠の吉見さんの御屋敷に奉公していたんだろう」
「そうでございますよ」と、女房はうなずいた。
「だが、どうして暇を取るようになったのかなあ」