Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
女は二十五六の年増で、引窓の綱らしい古い麻縄で手足を厳重に縛られて、口には古手拭を固く捻じ込まれていた。帯は解かれて、そのそばに引ん丸められ、肌もあらわに横たわっている姿は、死んでいるか生きているか判らなかった。彼女は丸髷を掻きむしったように振り乱して、真っ蒼な顔の両眼を瞑じていた。
半七はこの鼻に手を当ててみた。
「息はある。早く解いてやれ」
庄太は手足の縄を解き、口の手拭をはずしてやったが、女はやはり半死半生で身動きもしなかった。
二階から半七に声をかけられて、下にあつまっている人達も俄かに騒ぎ立った。なにしろ梯子がなくては困ると、あわてて家内を探しまわると、台所の隅に立てかけてあるのが見付け出された。
梯子をかけて、女をかかえおろして、ひと先ずそれを自身番へ送り込ませた後に、半七は更に二階の押入れをあらためると、丸められた帯のそばに小さい風呂敷包みがある。あけて見ると、菓子の袋と小さい河豚太鼓があらわれた。
二階の庇では猫の啼く声が又きこえた。
「お話も先ずここらでしょうかね」と、半七老人はひと息ついた。
白雲堂の二階で発見された女が菊園の乳母であることは私にも想像されたが、そのほかの事はなんにも判らなかった。