Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
「その勇二は二、三日前から帰らねえと云うじゃあねえか」
「二十六日の晩から家へ帰らねえそうです」
「鮫洲の金造という奴の家へ行っているという話だから、これからともかくも行ってみようと思っているのだ」
「鮫洲の金造……。あいつならわっしも知っています。現にきのうも品川で逢いましたよ。生薬屋の店で何か買っていました」
「金造はどんな奴だ」
「なに、けちな野郎ですよ」
半七は立ちどまって考えていた。
「おい、松。御苦労だが、品川へ引っ返して、その生薬屋で金造が何を買ったか調べて来てくれ。風薬の葛根湯ぐらいならいいが、疵薬でも買やあしねえか」
「ようがす。すぐに調べて来ます」
「往来に立ってもいられねえ。そこの団子茶屋に休んでいるぜ」
橋のたもとの茶店にはいって暫く待っていると、やがて松吉が急ぎ足で帰って来た。
「親分。案の通り、金造は切疵のくすりを買って行きました。金創いっさいの妙薬という煉薬だそうで……」
勇二は金造の家にかくれて疵養生をしているのであろうと、半七は推量した。鈴ヶ森で侍を殺した時に、彼も手疵を負ったらしい。自分の家へ帰って療治をすると、秘密露顕の虞れがあるので、金造に頼んで薬を買わせにやったのであろう。