Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
中であることを、吉五郎も知っていた。牢内の習慣として、罪の重い者が名主または隠居と称して、一同の取締り役を勤めるのである。その取締り役の威勢を笠に着て、新入りの囚人を苦しめるのが、かれらの悪風であった。
「成程、花鳥が名主じゃあ新入りは泣かされたろう」と、吉五郎は同情するように云った。「そうして、あいつが何をしたえ」
「とてもお話になりません」と、染之助は泣き出した。
入牢を命ぜられた娘義太夫三十六人は、いずれも年の若い女芸人であるから、暗い牢内へ投げ込まれて殆ど生きている心地はなかった。かれらの多数は碌々に飯も食えなかった。牢名主の花鳥はかれらに対して、最初の十日ほどは優しくいたわってくれたが、かれらが少しく牢内の生活に馴れて、心もだんだんに落ちついて来ると共に、花鳥の態度は、だんだん暴くなって来た。彼女は若い女たちに向って自分の夜伽をしろと命じたが、その方法の淫猥、醜虐、残忍は、筆にも口にも説明することが出来ないばかりか、普通の人間には殆ど想像することも出来ない程の忌わしいものであった。夜もすがらに泣いて惨苦を忍んだ者に対して、花鳥はその翌日必ず一杯のうなぎ飯をおごってくれた。