Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 217.272 caratteri · 434 schermate
なんでも暗い道を通って来ると、うしろから哀れな声で呼ぶ奴がある。こいつ、例の一件だなと思ったので、こっちも若い勢いで誰だ誰だと云いながら、声のする方へむやみに向って行くと、いきなり真向をなぐられたので、額ぎわの左から顳へかけて随分ひどく打ち割られて、顔じゅうが血だらけになってしまったのです。長助も一旦眼が眩んで、そばにある立ち木に寄りかかったまま暫くは夢のようだったが、やがて漸く正気になって、どうにか無事に親方の家まで帰って来たのだそうです。道場の先生の殺されたのは別として、これなんぞはどうも狐の悪戯らしく思われますね。長助の傷は石か何かで打たれたらしいということです」
剣術の師匠は殺され、植木屋の職人はなぐられ、とかくに気味の悪いことが続くので困ると、嘉兵衛は顔をしかめて話した。
三
植木屋を出ると、空はいよいよ陰って来た。
「親分、これからどっちへ廻ります」と、亀吉は空を仰ぎながら訊いた。
「おめえは吉祥寺裏の植木屋へ行って、長助という若い奴に逢って、ゆうべ確かにその声を聞いたかどうだか突き留めて来てくれ。如才もあるめえが、本当になぐられたのか、出たらめの事を云うのか、よく念を押して訊きただしてくれ」