Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらしのなか

暴風雨の中

山本 周五郎

Leggi 暴風雨の中 (あらしのなか) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.339 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

男はそれを横眼で見た、その眼がきらっと光った。男は片膝を立て、きせるを持ち直した。すると三之助が男の方を見た。男は急に咳きこんだ。

「なにか云ったかい」

「この家はその」男は吃った、「この水を、持ちこたえるだろうか、もう暴風雨はおさまりそうに見えるし、水もこれ以上のことはねえと思うが」

「どうだかな」三之助は唇で笑った、「この家は土盛りをして建てたものだ、七月の大しけのときに土台の石垣が崩された、それを直す暇がなかったんだ、……だから、この家の人たちは朝はやく逃げだしたのさ、命が惜しかったら一緒に逃げろって、おれにも諄く云いながらよ」

「だがおめえはそこにいるぜ」

三之助は黙って、また唇で笑った。男は疑わしげに、そして念を押すように云った。

「おめえは逃げなかった、まさかこの家がだめだと知って残ったわけでもねえだろうが」

「どうだかな」

「おめえおれを威かすつもりか」

「ちょいと聞いてみな」三之助が云った、「下の方でごぼごぼ音がしているから畳へ耳をつけるとはっきり聞えるぜ」

男は耳をすませた。それから畳へ耳をつけた。

「土台のどこかに穴があいてるんだ」三之助が云った、「崩れた石垣がどうかして、この家の土台の下に水の抜ける穴があいたんだろう、この音はそこから水の抜ける音だ、さっきよりずっと大きくなってるが、そうさ、こいつが