Classici giapponesi con furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Leggi 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.586 caratteri · 348 schermate
六
『新編常陸国誌』を見ると、かの地方ではホドもクドも同じものだと謂っている。東京郊外から下総の西部にかけては竈をカマダン、上州邑楽郡ではカマンデェ、その東隣の下野河内郡・下総猿島郡ではカマックドとさえ謂っている。すなわち弦のない今日の鍔釜を、載せるようにできていないクドも別に有ったのである。ヘツヒの古名の築き竈に転用せられたのも、新たに出来た語とは謂えぬが、クドも西日本ではおそらくは新語でなかった。ただホドという語が前からある奥羽地方へ、クドの形になって入ってきたのは、土で竈を築く風習と一しょであったために、爰ばかりでは是を別の語として受け入れたので、日本全体からいうと是もまた由緒久しい一つの古語であろうと思う。
六
前置きが図らずも長くなったが、私の説を要約するとこういうことになる。ロという漢語が我邦に入って来る前に、炉を意味する日本語はもう幾つかできていて、地方的に割拠していた。カナド・ホド・シロなどがそれであって、シロはのち一様にジロ・ヒジロと変り、ホドはヒホドとなって東北に遺り、またクド・ヒドコと改まって塗り竈の名に宛てられた。そうして旧来の平面の炉には、いつの間にかヰロリという異風な一語が、代りに入ってきて黙って坐っている。