Classici giapponesi con furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Leggi 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.586 caratteri · 348 schermate
日本の新物尊崇は大抵は商人に刺戟せられている。そうして火吹竹なども手製が少なく、つまらぬ物だがやはり荒物屋から、買ってくる家が多かったのである。
火吹竹の歴史は、私だけは穿鑿する価値があると思っている。主たる理由はこの物がすでに用が無く、急激に消えて跡を留めざらんとしている点にあって、人がそのために根源の存在理由を忘れ、最初から無益の物好みのために、こんな何でもない流行を追うていたように、速断する虞があるからである。火吹竹を不用にした強力なる新文化は、前後三つまでは私に算え上げることができる。そのおしまいの止めを刺したものが、燐寸であったことは誰でもよく知っている。マッチはたった一本で放火さえできるのだから、是がそこいらにあれば無論吹竹はいらない。しかもこの物が普通の生活に入ってきたのは半世紀、せいぜい明治の十年代からで、それ以前は開港場に往来する者が、持って還って自慢にする魔法に近いものであった。燐寸は人間の骨で作るそうなと謂って、神仏の浄い火は特に燧石で鑽り出し、商人の方ではまた決して穢れてはおらぬということを、箱ごとに明記していたのも近い頃までの事であった。