Classici giapponesi con furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Leggi 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.586 caratteri · 348 schermate
この疑問に答え得る人でないと、おそらくは実現の可能なる改良意見は出せまい。以前は決してこのようなことはなかったのである。百姓は百姓、山子は山子と、誰に勧説せられなくともみな一様の材料・形式のものを、つい近頃までは着て働いていたのである。身分や階級の束縛は少しも無かったにもかかわらず、なおしばらくの間は定まった服装を守り続けていた。それがたちまちに思い思いの姿になったのは、つまりは原因が外にあったからである。最も大きな理由かと思うのは、家に古着というものが幾らでもできることで、もとは一枚の晴着を一生涯、大事に着ていればかたみ分けにさえできたものが、現在はじきに古くなってしまって、不断着にもならぬものが溜まるから、それを何とかして仕事着に着ようとするのである。私などの住む附近の田舎では、この頃は祭礼の紅く染抜いた半てんを着ることが、野らで働く青年の一つの好みになっている。浜方ではまた遠目には紳士とも見えるような、洋服人が網を曳いている。是が一番に安上りの、また有合せの材料でもあるが故に、我々の仕事着の統一はまず壊れて行くのである。以前は国民服は制定しないでもきまっていた。