Classici giapponesi con furigana
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つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
Leggi 桜の森の満開の下 (つちのなかからのはなし) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 76.558 caratteri · 153 schermate
嫉妬に燃え、失脚に怖れ、彼の心は狂おしかった。自ら陰謀する者は、人の陰謀を更に怖れる。彼は失脚の恐怖に狂い、人の陰謀の影に狂って、自ら謀反を企んだ。
彼は太政官の官印を盗んで符を下し、ひそかに兵数を増加した。
密告する者があって、罪状あらわれ、押勝は逃げて近江に走った。退路を断たれ、追捕の軍は迫ってきた。押勝はやむなく我が子、辛加知の任地越前に逃げ、塩焼王をたてて天皇と称し、党類に叙位して士気を煽り、その儚なさに哀れを覚えるいとまもなかった。追捕の軍は攻めこんできた。味方の勢は戦う先に逃げだしていた。秋だった。時雨が走り、山に枯葉がしきつめていた。彼は刀も手に持たず、敵に向ってフラフラうごいた。まるでわけが分らぬように相手の顔を見つめていた。刀は肩へ斬りこまれた。まるでびっくり飛び上るような為体の知れない短い喚きが虚空へ消えた。斬られた肩を片手でおさえた。すると指をはねるように血のかたまりが吹きあげた。そして彼はごろりと転んで死んでいた。
塩焼王も殺され、押勝の妻子も斬られ、その姫は絶世の美貌をうたわれた少女であったが、千人の兵士に犯され、千一人目の兵士の土足の陰に、むくろとなって、冷えていた。