Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate

Aozora Bunko

そして高城を選んだというのも、宇治は自分の逃亡に対する通俗的な非難と言わば対決したかったのだ。

宇治は欝々とうなだれて方途もなく無茶苦茶に歩いた。道は再び密林に入った。逃亡の意志を打明ければ、高城の取るべき途は、宇治と共に逃げるか、宇治に背いて帰るか、あるいは宇治を射殺するか、此の三つしかない。宇治は此の最後の場合を考えていた。(その時俺は高城を射つか黙って射たれるか、どちらを取るだろう?)彼はその事を考えたとき何故か疼くような快感を苦痛と一緒に感じていた。が、実際には高城は彼に背いて途を戻って行ったのだ。三時間もすれば原隊にたどり着くだろう。そして隊長に報告するだろう。そうすればあの人の好い隊長は激怒して追手をむけるだろう。それはすぐ頭に来た。だから高城を射殺しようと思ったのだ。しかしとうとう射たなかった。何故射たなかったのか。一度も振り返ろうとしなかった彼の疑いを持たぬ心が宇治を打ったのではない。宇治は賭けをしたかったのだ。更に追手が来る。宇治は自分の逃亡に対する外からの圧迫があればある程、反撥して自分の正当さを確かめ得るだろう。それが確かめたかったのだ。