Classici giapponesi con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Leggi 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.810 caratteri · 345 schermate
軍に属さぬ一般邦人は既にそれぞれ群をなして東海岸に向っていた。今その言葉をきいて宇治も漠然と自分が其処に牽かれていることに気付いていた。
「もし連れて行って貰えぬなら」高城は一寸息を呑んだ。「その拳銃で射ち殺して呉れ、と言うのです」
宇治は黙って高城を見返した。返事をしないまま彼は歩き出した。そして低く独白のように呟いた。
「道はこれでいいんだな」
歩いて行く宇治の後を高城は小走りに追いすがった。
「殺して来ましょうか。宇治中尉殿」
思い詰めたような声であった。何か殺気を感じて宇治はふり返った。高城の眼が宇治の視線を捕えてキラキラと光った。
「何故殺すんだ」
「殺して呉れと言うんです」
変に頑固な嗜欲が今の彼をとらえて居るらしかった。顔の筋肉が硬ばっていた。宇治は高城の瞳の色から何とない圧迫をじりじりと感じ取った。それに堪えながら、宇治はその眼を見返していた。宇治の行為に対しての反感、それにも拘らず宇治に従おうとする自らの弱さ、それらに対する自棄な反撥が燃えるような彼の眼にあらわれていた。宇治は黙って背をひるがえし再び道を歩き出した。
突然背後で笑い声を立てた。