Classici giapponesi con furigana
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うめちらほら
梅ちらほら
吉川 英治
Leggi 梅ちらほら (うめちらほら) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2712 caratteri · 6 schermate
梅の唇
さかづきに梅の花うけて思ふどち
飲みてののちは散らむともよし
が何か心象に沁みてくるような香があってわすれられない。王朝自由主義の中の明るい女性たちが、男どちと打ち交じって、杯を唇にあてている姿が目に見えるようだ。かの女たちの恋愛観もまたこのうちに酌みとれる。
蓮月尼の――鶯は都にいでて留守のまを梅ひとりこそ咲き匂ひけれ――も春昼の寂光をあざらかによくも詠んだものである。が、王朝の女性とくらべて大きな年代のへだたりが明らかに感じられる。何といっても、日本の女の、清々と、自由に、しかも時代の文化をよく身につけて、女性が女性の天真らんまんに生きた時代は、飛鳥、奈良、平安朝までの間であった。
梅の唇
梅暦は、僕は、伏せ字のない帝国文庫本の初版を、少年の頃、たしか二十五銭ぐらいで古本屋から買って読んだ。
仇吉だったか、米八だったか、女が、小梅の茶屋で、情人の丹次郎を待ちあわせている。……逢い曳の待つ間が長く、じれぎみになっているうちに、男の影が、小梅田ン圃の彼方に見えてくる。と、女は、茶店の前の枝垂れ梅から蕾を取って、梅の蕾を、唇に噛みながら、近づく男の姿を待っていた――という一節があって、なぜかそれだけで、接吻の香気を連想させ、いつまでも記憶にしみついている。