Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.073 caratteri · 223 schermate

Aozora Bunko

片羽鳥

「ばかなやつだ」と六郎兵衛は手酌で飲んだ、「ちょっと油断をしてみろ、一ノ関がすぐに掠ってゆくぞ、きさまは頭の悪いやつだ」

「あたしもう帰ります」

おみやはいそいで立ちあがった。

道場を出て、空いている駕籠を捜しながら、小走りに筋違御門のほうへ向かった。時刻は午少しまえ、桜でも咲きはじめそうな暖かい日で、往来の人たちのなかには、片肌ぬぎになっている者がいた。

おみやが道場を出たときから、一人の浪人者があとを跟けて来た。葛布の着物に、くたびれた袴をはき、深い編笠をかぶって、右手をふところに入れたまま、さりげなく、しかしまちがいなく、おみやのあとを跟けていった。

片羽鳥

新八は横になり、肱枕をして、手紙を読んでいた。あけてある障子の向うに、庭がひらけていて、梅林の、芽ぐみはじめた枝のなかに、みれんらしく、まだ一、二輪白い花をつけているのもみえた。

「一生を面白おかしく、か」新八はふんといった。

その手紙はお久米から渡されたもので、いちど道場でざっと眼をとおし、この茶屋へ来てからも、もう三度も読み返した。それは、二人で出奔しよう、というさそいの文であった。――赤坂の氷川神社の近くに、お久米の叔母がいる。