Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
玄四郎の口がゆっくりとあいた。
「やるというと」と玄四郎は舌が痺れでもしたような調子で訊いた、「つまり、どうするわけですか」
「仔細はわからないが、かれらは公儀の秘事をあばいたそうだ、世間へもれてはならない重大な秘事をあばいたので」そう云いながら、弥兵衛はまた左の掌を右の手刀でいさましく打った、「一人残らず、これだ」
「――伊達家の人たちをですか」
「一人残らずだ」
玄四郎は自分の表情の変るのをけんめいに抑え、殆んど力ずくで微笑した。
「太田さんお一人ですか」
「仕手は石田伊右衛門とほかに三人いる、むろん大事をとってのことだろうが、おれ一人で充分さ」弥兵衛は眼をぎらぎらさせながら、乾いた声で笑った、「今日こそこの腕にものをいわせてみせるぞ」
「もちろんみごとになさるでしょう」と玄四郎が云った、「私もぜひ拝見したいと思いますが、仕手の中へ加えて頂けないでしょうか」
「それはむりだろうな」
「私は御当家に奉公して以来、長いこと御恩になっていながら、いまだにこれといってお役に立ったことがありません」玄四郎は熱心に云った、「こういう大事なときにこそ、たとえ一と太刀でも恩返しがしたいと思います、貴方のおはからいでどうか仕手の内に加えて下さい」