Classici giapponesi con furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Leggi 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.078 caratteri · 285 schermate
七十郎は鷺坂靱負に、済まないが座を外してくれと云い、ふじこに眼くばせをした。
ふじこは鷺坂の膳を持って出てゆき、戻って来て、どうぞ、と鷺坂を案内して去った。
「なぜ彼を遠ざける」と十左がけげんそうに訊いた。
「小野の館には、一ノ関に通謀する者がいるんだ」
「内通者だって、ばかなことを云うな」
「事実だ、事実いるんだ」と七十郎が云った、「奥山出雲か鷺坂靱負か、どちらかわからない、二人のうちどちらかが一ノ関と通謀している、それが給主(仙台から付けられた与力)の手を経て行われていることに間違いはない」
「いつごろからだ」
「わからない、ずっと以前からかもしれないが、おれが気づいたのは義兄の死んだあとだ」
「証拠があるのか」
「一つだけ云えば、両後見から取った三カ条の誓紙を、盗もうとした者があった」
「一ノ関の欲しがっていた、あれをか」
「兵部は義兄の病中から、あの誓紙を返せと云っていた、誓紙の三カ条は、事のあったとき兵部を取って押えることができる、それでしきりに返せと迫っていたのだが、おれはそれを小野の館へ持ち帰った」
「盗もうとしたことは間違いないか」
「しかも、それは奥山か鷺坂か、どちらかでなければ、近よることもできず、そこだという見当もつかない場所だ、内通者がいるという証拠はほかにもあるが、いまそれを教える必要はないだろう」